中国の次期「共産党書記」「国家主席」「軍事委員会委員長」に内定とされていた習近平氏がここ10日ほど姿を見せていません。
一部情報筋では、いくつかの公賓との会見もキャンセルしているようでその動向が注目されます。
インターネット上では「事故に合ったんではないか?」や「覇権争いに拍車がかかって何かしらの問題が出た」などの憶測が飛び交っています。
そういう憶測が飛び交うのも偏に中国の首脳部の日本以上に「密室での首脳部交代劇」が繰り広げられるからです。
中国の選挙制度を日本的な感覚で説明すれば、
「一般国民が町の代表を選挙 → 町の代表が市の代表を選挙 → 市の代表が県の代表を選挙する → 県の代表が国会議員を選挙する → 国会議員が閣僚を選挙する → 閣僚が代表を選挙する」
このような間接選挙的な段階を追っています。
しかし現実は少し違います。
中国憲法の前文に記載されている通り「中国は共産党が導いて行く」と堂々と記載されているとおり、所々で「共産党」の指導が入ります。
立候補者の推薦から、他候補の抑圧まで様々です。
そのような状態の選挙ですから上の方に行けばいくほど共産党の党員比率は高まって行くのは当然で、最後に残る「閣僚級」または「首脳級」になると全員が顔の知れた者同士ですから、静かながら強烈な「派閥争い」の要素が強くなっていきます。
日本式に言えば「県」や「政令指定都市」レベルの派閥争いでは「死人も出るほど」の争いがおこります。
さすがに国家レベルでの「死人が出るほどの争い」は国際的にも目立ちますのでありませんが、かつては国家主席まで務めた「劉少奇(りゅうしょうき)」氏も毛沢東の文化大革命の中で覇権奪還のターゲットにされ非業の死を遂げた例もあります。
またその他でも国家の最高レベルの人材が役職を務めた後「失脚」という状況に陥っています。
偏に「派閥争い」「権力争い」の故でしょう。
1997年までの事実上の中国の最高権力者の鄧小平氏死後は国家レベルの人材での表立った失脚劇はありませんが、実は現国家主席「胡錦濤氏」までは当時の最高権力者「鄧小平氏」の意向の基、強烈なカリスマ性で比較的静かに安定的な後継者問題が解決してきました。
次の後継者こそが初めて「鄧小平氏」の意向のかかっていない後継者になります。
こういう所を知っている人達から出てくる憶測の中で、習近平氏の周辺で起こる「「直前での覇権争い」がうわさに上がってきます。
そろそろ中国の情報部は何かしらの習近平氏の動向を発表しないと、よからぬ憶測が憶測を呼びます。
一体、習近平氏はどこで何をしているのでしょう?