Windows10の無償提供に見る、ビジネスのアプローチ

OLYMPUS DIGITAL CAMERAアメリカ、ウィンドウズが次期OSのウィンドウズ10をウィンドウズ7以降のユーザーに対して、1年間を期限に無償アップデートすることになりました。

弊社、三敬鋼機㈱にとっては、現在出ている情報のみで判断すると「朗報」です。

先日の「XPサポート打ち切り」に関して、個人ユーザーはまだしも多くの企業がXPを採用したままであり、それをアップデートすることに、巨額の費用が必要となり、騒動を巻き起こしました。

弊社はすでにすの頃、Windows7に切り替えていたため、騒動の蚊帳の外でしたが、その騒動の中で改めて「ウィンドウズを使用している限りOSのアップデート費用は必要経費と考えなければいけない」という事を思い知らされました。

ウィンドウズ7を使用している限り、XPのようにいつかはサポート中止になります。

ある程度、腹を決めていた時にこの「朗報」

期限内にWindows10に徐々に切り替えていこうと思います。

 

その一方でWindows側はなぜこのような形態をとったのでしょうか?

先日のXPの時のように、ともすればサポート終了と共に大きな収入が発生するチャンスだったのに。

おそらくWindows側は、違うビジネススタイルを考えたのでしょう。

アップデートにより、顧客に不利益をしいた上で、結局顧客が離れていくビジネスモデルより、なんとかWindowsにとどまってもらったうえで、別のルートでの利益回収を考えている、という事だと思われます。

 

こういう流れは、先日もトヨタ自動車の「水素自動車の特許」に関する状況と近いのかもしれません。

トヨタ自動車は「水素自動車に関連する技術」を発表する、と宣言しています。

今まで大きな費用と時間をかけて作り上げた、いわゆる「トヨタの発明」をあっさりと共有しようと言っているのです。

経営陣の中でも、この決定に関して反対の声が上がったようですが、現豊田社長が押し切ったとの事。

「まったく新しい分野を1社で切り開いていくより、業界のすそ野を広げた上で、すでに1歩先ん出ている技術で勝負しよう」という考えのようです。

よほどの自信がなければ、この決断は出てきません。

しかし、すそ野が広がった中で、ある程度の地位を確保できるのであれば、もっとも効率的ではあるのは確かです。

Windowsもおそらく、このような「すそ野を広げていく」という方策をとったのだろうと思われます。

 

ビジネスの方法には様々なアプローチがあります。

タブーなく創造性豊かに進むことによって、また新たな道が開ける可能性があることを示したことであり、またこの両者のその後の結果に注目したいところでもあります。