最近、びっくりした話題を見ました。
「上司に出す書類のハンコは左に傾ける」というマナーです。
これは先日のテレビ番組で、「自称マナー研究家」という方が話されたことのようですが、「稟議書などの印鑑欄は、上司が左側の場合が多い。部下が上司にお辞儀をするように見えるため、少し斜めに傾けるとよい」と話されたそうです。
これにはネットを中心に「その通り」という意見や、「そんなことない」という意見が出たそうですが、個人的には「ばかげているなぁ」と思いつつ、「ブームは、やはりメディアが作り出すのか」という、残念な気持ちが出てきました。
今まで社会生活をするうえで、こんなマナーは聞いたこともないし、経験したこともありません。
どちらかというと、「印鑑はまっすぐ押さなければならない」というマナーのほうが常識的なような気がします。
しかしメディアを見ただけの方は「マナー研究家」という肩書で、さも常識のようにこのような「新マナーが当然」という発表をされてしまうと、大きな誤解を生みます。
この新マナーについて、「このように教えられた」という話をしている人も確かにいます。
「ただしこのマナーは社内書類だけで、社外に出すものはまっすぐに押しなさい、と言われました」と話しているそうです。
これを聞いて、逆に「同一会社であればこそなのに、そんなに息苦しいマナーをしなければいけない会社」という方が気になります。
この話題を見ただけで、その後の社会生活の中でだんだんとこの新常識が広まってしまうと、自分のほうがマイノリティになってしまうかもしれません。
たった少数の人の定義した「新マナー」が、メディアに乗ると一気に広まっていく、、というのはいまだにメディアの力の強さを感じるとともに、怖さも感じます。