昨日、ご存知のようにアメリカ大統領選挙が行われ、大方の予想を覆し、ドナルド・トランプ氏が次期大統領に選ばれました。
先日の「イギリスのEU離脱、いわゆるブレグジットの再来」のような「国民投票における番狂わせ」を見せた結果です。
正直な話、今回の選挙はアメリカ国民にとって苦渋の決断だったように思いますが、「トランプ氏の勝利は相手がヒラリー女史だったから」「有権者が外でははっきりと言えない、内に秘めた思いを体現した」という2点が大きいのかもしれません。
「暴言王」と呼ばれるトランプ氏ですが、今回の結果以前に「共和党内」での指名受諾にも見え隠れしましたが、結局有権者はトランプ氏の放つ暴言を「言いたいことを言ってくれた」ととらえている部分もあったのかもしれません。
「イスラム教徒入国禁止」「メキシコとの国境に壁を作る」など、外では「人種差別者だ」と言われそうなことをどんどん言っていますが、結局はアメリカ有権者の心のうちはそうだったのかもしれません。
「日本に対して米軍駐留費用を全て賄わす」「アジアには干渉しない」「アメリカは孤高になる」など、現在の軍事バランスを欠いたような発言に関しても、正直な話今のアメリカの状況を見れば当然です。
エネルギー問題も解決していますし、軍事的にも最強。
これ以上他国に干渉する意味もありません。
そういう「アメリカ人の心の内」をトランプは捉えたのかもしれません。
そしてもう一つの要因が相手であった「ヒラリー前国務長官」
本人は「敗戦の弁」で、「ガラスの天井は破れなかった」と、暗に「女性だから敗れた」事を示唆していましたが、間違いなく「ヒラリー女史個人への嫌悪」であり、女性である事は関係なかったのだと思います。
やはりヒラリー女史には根強い金権政治の裏が見え隠れしています。
そして、その高慢な印象も嫌悪感を見ている有権者も多いと思います。
「ヒラリーだから勝てなかった」と考えている有権者も多いように思います。
さてトランプ大統領になってから、どういった国政運営がなされるでしょうか?
おそらく「イスラム教徒入国禁止」や「メキシコとの国境に壁」などという非現実的な公約は難しいと思います。
現実の国政運営の中では難しいはずです。
そうなるとやはり見えてくるのが「TPP反対」や「駐留米軍への負担増」などが現実的であります。
またトランプ大統領になった来年1月20日以降に、中国は尖閣諸島への干渉を試してみるでしょう。
アメリカの出方を見るからです。
日本は、今までと少し違うスタンスでアメリカもしくは日本を見ていかないといけないと思います。