アメリカがとうとうシリアに対して攻撃を仕掛けるようです。
理由としては「大量化学兵器を国民に使用したから」
という事のようですが、なかなか納得がいきませんね。
仮に大量化学兵器を利用したからと言って、アメリカが制裁を加えるのは「内政干渉」以外、言葉がありません。
アメリカの報道では「アサド政権が無垢の民を虐殺している」という報道ですが、本当はどうだか分かりません。
暴力的なデモ行為に対して治安部隊が出動するのはどこの国でも同じです。
明らかにアメリカが狙うのは、シリアと友好関係のある「イラン」を見据えての動きでしょう。
現在、中東諸国はすでにイラク・アフガニスタンと駆逐し、のこるは「シリア」「イラン」だけが反米を掲げています。
強敵イランを首尾よく退けるには、シリアでの親米政権樹立が欠かせないのでしょう。
またその後ろ盾と言われる「ロシア」へのけん制です。
ではなぜ中東での覇権が必要なのでしょう?
すでにアメリカはシェールガスの産出に成功し、近い将来資源に困窮する事はない、と言われているのに。
やはり、日本や中国など、今でもアメリカにとって強敵と言える様々な国が「中東の原油」に頼っている状況があります。
アメリカは貿易収支の赤字が相当に膨れ上がり日本と同様、借金経営をしている国です。
しかし未だ国が成り立っているのは世界の基軸通貨がドルである事。
これらの国が「ドル決済やーめた」になってしまうと、一気に崩壊に結びついてしまいます。
絶対にドルの基軸通貨からの転落は防がなければいけない。
イラクのフセイン大統領は石油決済の通貨をドルからユーロに変えて、やがて殺害されました。
リビアのカダフィ大佐は、同じく石油決済をドルからアフリカの統一通貨に変えようとし殺害されました。
今、イランはその潤沢な石油決済通貨をドルから、円などのドル以外の通貨に変えてきています。
アメリカにとっては、この2国をつぶすことが「中東覇権」の最終段階なわけです。
「シリア」をつぶすことで「イラン」をつぶしやすくなる。
「イラン」の派遣を握れば、安全保障的に「ロシア」「中国」を、経済的には「日本」「中国」はじめ様々な国を抑えられます。
アラブの中の孤高の存在でありアメリカの盟友「イスラエル」の安全保障にも大きな担保が与えられます。
もちろん、明らかでない「大量破壊兵器使用」を国連に訴えても「中国」「ロシア」の拒否権発動は目に見えています。
やるなら「NATO(北大西洋条約機構)軍」を用いてでしょう。
しかいアメリカ国内でも、このシリアへの攻撃にたいして国民の同意は得られていません。
そこで異例の「議会での承認」を得たいのでしょう。
本来なら大統領の決断で攻撃に踏み切れますが、オバマ大統領にとっても現在のアメリカ国内の反対は苦しいところ。
そこで「アメリカ議会も仲間に入れてやれ」」という事でしょう。
日本ではアメリカ寄りにニュースが配信されます。
しかし事の真相は、決してマスコミから流れ込む情報だけではありません。
様々な情報を反芻しながら、アメリカの動向を見守るべきでしょう。