日本では野田首相の「衆院解散は近いうちに」議論で選挙への動きが高まって、国会では未だかつてない「不毛な論議」が目立っています。
選挙前のパフォーマンスともいえる与党・野党の「政策より政局」、「国民の生活より、議員としての生活」があまりにも見え、この苦難の状況の中であっけにとられる日々です。
さて、そんな国民不在の不毛な論議を繰り返す日本はさておいて、所変わってアメリカ。
日本ではさほど盛り上がっていないですが、現在の唯一の超大国アメリカでも選挙戦が佳境を迎えています。
民主党のオバマ大統領に対して、共和党は「ミット・ロムニー前マサチューセッツ知事」を候補に決定しました。
今回の「ミット・ロムニー氏」で注目される所は、彼が「モルモン教徒」だと言う事です。
アメリカはもともと「WASP(ワスプ)の支配する国」と言われてきました。
「WASP(ワスプ)」とは
WHITE(ホワイト) = 白人
Angro-Saxons = アングロ・サクソン人種
Protestant =キリスト教プロテスタント信者
の頭文字をとった意味で、歴代大統領も圧倒的に、この3大条件に当てはまってきました。
近年ではカトリック教徒であったケネディ大統領と、完全な白人ではないオバマ大統領が例外として見られますが、今回のロムニー氏も「モルモン教」というアメリカでは2%ほどの信者しか抱えな少数宗教信奉者である事を注目されています。
モルモン教徒は日本でも布教者が良く見られますね。
スーツにネクタイ、ヘルメット姿で2人で自転車に乗って走っている若い外国人の姿を見かけないでしょうか?
彼らはモルモン教の宣教師の方たちですね。
伝統的な保守党である共和党がロムニー氏を候補にするのも驚きでしたが、アメリカの世論調査で「モルモン教徒の大統領候補に投票するか?」という問いにアメリカ国民の70%近くが反対でした。
若干アメリカでもカルト宗教的にとらえられているのが大きな理由だと思われます。
しかし先日のオバマ大統領の「同姓婚容認」発言により、アメリカの保守層は一気にオバマ離れを始めています。
伝統的なキリスト教保守層にとって「同姓婚容認」よりは「モルモン教徒」の方が良い、という認識のようです。
この感覚は我々日本人ではなかなか理解しがたい内容ですが、結果的にはそのような状況のようです。
もともと2012年は「政権交代の年」と言われてきました。
フランスではサルコジ大統領からオランド大統領へ。
ロシアではメドベージェフ大統領からプーチン大統領の返り咲き。
韓国ではイ・ミョンバク大統領の交代
中国では胡 錦濤(こ きんとう)国家主席・共産党総書記から習近平(しゅう きんぺい)氏へ。
アメリカではこのような動きが見られます。
さて、日本ではどのような政権が誕生するのかしないのか。
個人的には「サミットの写真撮影」が見ものです。
伝統的に「議長国を除き、長くサミット参加していた国家元首が写真の中心に来る」という暗黙の了解のもと、日本は毎年隅っこでしたが、時期サミットは多くが新しい国家元首で望みます。
そこで起こる「写真の中心にどう映るか?」という国家元首の動きで、現在の世界の力関係がうかがえるでしょう。