「投機」と「投資」の違い

Taro Aso, Japan's
Taro Aso, Japan’s

2016年5月2日

麻生財務大臣が、ここ2日ほどで円高が対ドル5円高ほどすすんだこと受けて「きわめて投機的な動きを感じるので、それに対応する準備はできている」という「円売り介入示唆」しました。

もちろん市場に円が増えてこれば、円の価値が下がるので「円安」に進みます。

今日はここで気になる言葉、「投機的な動き」というところに注目したいと思います。

この「投機」と同様に聞こえる言葉に「投資」という言葉があります。

この2つを比較すると明確な違いがあります。

「投機」はギャンブルに近いもの、「投資」は言うまでもなく資本を投げる意味です。

株式投資で考えると一番よくわかるかもしれません。

 

株=ギャンブル」と考えられる方が多いと思いますが、実は株の売り買いで最も多くされている取引は「投資」になります。

「株式投資で儲けを得る」というのは「安い時に買って、高い時に売る」というのが大前提ですが、現在市場で売買されている会社の株をじっくり精査していくと「会社の価値に比べて著しく安い株もある」という事です。

それは株の価値を見る「ファンダメンタル分析」という数学的分析もすでに出ており、長いスパンで株式投資をする人はこの指標を基にする人も多いです。

長いスパンで考えれば。短期間での多少の上下はあろうが、この会社の株の価値は上がっていく、というのが本来の株式「投資」の方法であり、株式会社の誕生理由の本来の形であります。

次に「投機」ですが、例えば「かならずこの会社の株は上がっていく」という会社の株でも、短期的に見れば常時上がったり下がったりします。

これを見ながら取引を行うものを「投機的」と言います。

所謂「デイトレード」「スイングトレード」というものですね。

これにも「大まかな指標」というのがありますが、長期的な取引と比べ確実なものはありません。

 

今回、麻生財務大臣が「この急激な円安の動きは、誰かがギャンブル的な動きを見せているのだろう」という考えを基に発した言葉です。

財務大臣が市場に流れる円の流通量を操作して、市場をコントロールするのは大きな役割の一つ。

現在朝9時ですが、市場はまだ反応を示していません。

もしかしたら「口先介入」かもしれませんが、個人的には「円高歓迎派」です。