アメリカがエルサレムに大使館移転

2018年5月15日

アメリカがイスラエルにある大使館をテルアビブからエルサレムに移したことにより、パレスチナ住民から大規模な反対デモ、さらにはその報復としてイスラエルから攻撃がされているとの報道がありました。

ご存じのとおり、「イスラエルーパレスチナ」という地域は第二次世界大戦後から何度も「領土問題」で争いを続けている地域であり、「中東の火薬庫」と言われています。

単純に言うと、「もともとその地域に住んでいたアラブ人(パレスチナ人)を押しのけて、ユダヤ人(ユダヤ教徒)がイスラエルを建国した」という事であり、双方ともにその地を「我が国」としています。

世界大戦以前にその地を支配していた「オスマン=トルコ」を駆逐するため、大英帝国がユダヤ人、パレスチナ人双方に「建国」を餌に戦闘に加わってもらい勝利、双方ともが一気になだれ込んできた、というものです。

エルサレムはその両地域の交わるところに存在しており、双方が「わが首都」としていますが、国連加盟国の多くはあまりにも微妙な地域の為「イスラエルの首都はテルアビブ」として大使館を置いています。

それを今回トランプ大統領は、選挙公約通り「アメリカはイスラエルの主張を組み、イスラエルの首都をエルサレムと認定、その証として『アメリカ大使館』をテルアビブからエルサレムに移転する」としました。

もちろんイスラエル側は大喜び。

実際、トランプ大統領の行動は暴挙に見えますが、実は1995年のクリントン政権下でアメリカの2大政党、民主党・共和党ともにこの「大使館移転」は承認していましたが、あまりに微妙な地域の為、クリントン・ブッシュ・オバマ政権はそれを延期していました。

トランプ大統領も一度延期したものの、今回は行動に移した、という形です。

アメリカにおいて「ユダヤ人」の影響力は大きく、自国イスラエルの人口とほぼ同等の人口をアメリカ国内に抱えます。

「ユダヤ人」というのは「日本列島に生まれ育った地域的民族集団である日本人」というくくりではなく、「ユダヤ教を信奉している宗教的民族集団」というくくりです。

アメリカに住んでいようが「ユダヤ人」であり、そのイデオロギーは統一しており、その意思統一がアメリカ政財界に影響を大きくしています。