インドというと何を思い出すでしょうか?
もちろん「カレー」もありますが、インド人の容姿として「ターバン姿」も馴染み深いものでしょう。
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私もご他聞に漏れず、インド人=ターバンという図式が脳裏にあり、日本で着物を着てらっしゃる人のように「伝統的なものを重んじる人」が好んで巻いているものだと勝手に理解していました。
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2005年にインドを訪れたのですが、謎は解明しました。
インドは最も有名な宗教として「ヒンズー教」があります。
しかしインド北部には、ヒンズー教とはまた違った「シーク教」というものがあり、それの中の「カールサー派」を信心する方たちが巻いているのがターバンだという事実です。
と言う事は、インドでターバンを巻いている方は「シーク教徒」だと言う事です。
このシーク教、子供のころから「髪を切らない」「髭をそらない」という面白い習慣があり、ターバンを巻いている方はほとんどが逞しい髭を結わえ、長い髪をターバンの中に収めています。
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また牛の肉を食べないヒンズー教徒とは違い、お肉を食べる食習慣には厳密な決まりもないようです。
それゆえ、インドではシーク教徒の方はどちらかと言うと隆々とした堂々たる体格をしている方も多いです。
ではなぜ「インド人=ターバン」という図式が成り立っていったのでしょう。
シーク教徒は約2300万人ほどと言われています。
日本で2300万人というと「6人に1人」の計算ですがそこはインド。
10億人の中の2300万人ですからわずか2,3%。
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しかしながらシーク教徒の方々は、その成立時からどちらかというと「裕福」で「教育水準の高い」方たちの帰依が多かったらしく、海外への職務などで外国人の目に触れる機会の多い方がターバンを巻いていて、おのずと「ターバン=インド人」という図式になっていったようです。
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また、シーク教の男性は「シン(ライオンの意)」という名前の方も非常に多いです。
現在のインド首相「マンモハン・シン氏」もシーク教徒。
往年のプロレスラー「タイガー・ジェット・シン氏」も本名か分からないですが「シン」を名乗っていますね。
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これからターバンを巻いた方を見たら、雑学程度に覚えておいてみてください。
お話されるときに、役に立つかもしれませんよ?