オバマ大統領の「大統領ランキング」

久々の投稿です。

年末を迎え、色々バタバタしていました。

 

さてアメリカではトランプ大統領による「イスラエル」の首都をエルサレムにするというパンドラの箱を開けるような声明が発表されました。

それによって早速ISの名前を用いニューヨークでテロが起こったそうで、世界が心配しています。

ところで数か月前ですが、アメリカの政治専門情報C-SPANによるオバマ前大統領の「大統領ランキング」が発表されました。

アメリカは現在45代トランプ大統領ですが、歴代大統領は43人(クリーブランド大統領は一人置いて再任)になります。

ある一定期間を設けて、C-SPANを始め様々な情報形態はそれぞれの「大統領ランキング」を発表し、歴代大統領の「政治的公平性」「カリスマ性」「清潔度」「公約達成度」などを数値化しランキングします。

今回初めてこのランキングにオバマ大統領が登場し、堂々の12位を獲得しました。

大統領史研究を趣味としている私からいうとこの12位はすごい結果だと思います。

なかなか退任直後にこの数値は出ないのですが、なにより後任大統領の悪評が続き、「あの時代に戻れたら・・」という感情が少なからず働いたのかもしれません。

近年ではレーガン大統領は10位以内に入る事が多くなっていますが、あとはビル・クリントン大統領が経済政策を評価されて15位前後を上下します。

それを抜いてオバマ大統領の12位はすごいです。

オバマ大統領の任期ハイライトはおよそ2つ。

オサマ・ビン・ラディンの殺害」と「キューバとの国交回復」でしょう。

前任ブッシュ大統領の「911テロ」や「アフガン侵攻」「イラク戦争」などの大荒れの任期に比べるとインパクトの少ないものですが「平時の大統領」としては重ねて言いますがすごい数値だと思います。

おそらく2009年の「サブプライムローン問題」からの回復も大きな要因でしょう。

 

この「大統領ランキング」、前任ブッシュ大統領は35位前後を上下する不人気ですが、先ほど挙げたように「平時の大統領」より「乱世の英雄」の方が上位にあがる傾向があります。

1位から3位は「ワシントン初代大統領(独立戦争)」「リンカーン大統領(南北戦争)F・ルーズベルト大統領(第二次世界大戦)」が占めることが多い事からもそれが伺われます。

あとは比較的「独立の父」とも呼べるアメリカ創世記時代の大統領が上位に、戦後の最近の大統領が中盤に、リンカーン大統領に近い南北戦争時期の大統領が最下位をうろうろするような感覚があります。

先ほど挙げたように戦後および近年ではオバマ大統領を上回るのは35代ケネディ大統領、40代レーガン大統領のみです。

それを考えると大したランキングでしょう。

この大統領ランキング、もちろんC-SPAN以外にも多くの媒体で発表されます。

それぞれでランキングが違いますが、比較的「好意的に受け取られる大統領」として歴史に刻まれるでしょう。

白人*黒人の混血(いわゆるムラート)であり、父親はケニア移民であることから「虐げられた黒人奴隷の子孫」でもないオバマ大統領ですが、アメリカ社会では「1滴でも黒人の血が入れば黒人である」という暗黙のルールの中で、「初黒人大統領」となったオバマ大統領。

失政していたら、今後の黒人大統領誕生に向けて暗礁に乗り上げるところでしたが、結果としては良かったようです。

さて、トランプ大統領。

もちろんトランプ大統領も歴代アメリカ大統領ですので、今後はこのランキングに晒されていきます。

どういった結果になるのか、現在の政治のかじ取りもよく見ていきましょう。