中国国内で「尖閣諸島国有化」に対してのデモが起こっています。
毎度毎度の事なので、あまり驚きませんが今回もいつものように「日本料理店」への襲撃や略奪が起きているようです。
襲撃は分かるものの、嫌っている日本製品を「略奪」というのは意図が変わってきているような気もしますがの理由を下記に書きます。
学生時代に中国にいた経験もあり、それから10数余年中国の動向を見てきましたが、やはりこのようなやり方は報道されているように「愛国主義」と「うっぷん晴らし」の2つの要因があると思われます。
中国の愛国主義は「日本を知らなければ知らない人」ほど浸透しているのが厄介です。
ですから「田舎の若い人」ほど感情的に走りがちなのが特徴です。
だいぶ日本はインターネットなどの様々な情報媒体から情報を得られるようになって、一般市民もさほど民間テレビ局や新聞の作為的な記事、報道には疑問を感じる事ができますが、中国ではまだまだ情報統制や海外への渡航経験者がなく、一般市民がそれほど海外事情に精通していません。
その中でテレビドラマなどで報じられる旧日本軍の「蛮行フィクション」や、ニュースでの盛り上げが直接中国人民の脳裏に焼き付いてしまって、それが日本への反感へと繋がっています。
たぶんほとんどのデモ参加者は「論理的に日本が嫌いな理由」もなく、「ただ訳もなく日本が嫌い」という状態でしょう。
私も何度か現地中国人と直接論争をした事もあり、その「根拠のなさ」を指摘すると結局「ただ理由は良く分からないけど日本が悪い」という事になってしまいます。
またもう一つがうっぷん晴らし。
集団心理と言うのは日本人だけのものではなく、中国人も同じです。
若い人ほど、このような「非日常の光景」に興奮して盛り上がってしまいます。
日ごろのうっぷんを「意味もなく」解消するために盛り上がっているだけなのです。
「略奪」が起きるのもその最たるもので、「日本のモノをボイコットしよう!」とデモの先導者は言いますが、参加者にはそこまで浸透しません。
その都度の中国との外交関係の中で、政治的に「中国に舐められている」状態を続けてきた為に蓄積された負の遺産でしょう。
つど中国政府に毅然とした対応を取って来なかった政治家、そしてそういう政治家を選んできた国民の責任ですね。
しばらくすると自然と沈静化するのが中国デモの特徴でもあります。
こういう時にはまず「一般市民は進んで危険な所に行かない」、「外務省が中国政府にしっかり事態打開を要請する」「国際的に日本の正統性、今回の反日デモの蛮行性を節度を保ちながら喧伝する」の3つに限ります。