ギリシャの債権不履行が判明しました。
先月6月30日までの債務返還が叶わず、新たな資金導入もかなわないため、政府は民間銀行での支払い停止を指示しました。
ここにくるまで、すでに国民は「取り付け騒ぎ」をおこしており、市中の銀行には多くの国民が預金をおろしに来ました。
しかし開けてみて、株式金融市場を見てみると、意外と落ち着いている相場。
明らかに市場はこの事態を想定していたので、そこまで下がりませんでした。
それ以上に、世界を駆け巡る懸念のあった同時株安の予測を、まわりまわってギリシャ危機にそこまで影響を受けづらい「日本市場が食い止めた」という情況が見えます。
さて、ギリシャは7月5日に国民投票を行い、「緊縮財政策に賛成か否か」というのを問います。
緊縮財政ノーで当選したツィプラス首相は「ノーを言うように」と国民に呼びかけていますが、これは明らかに国民への責任転嫁です。
この緊急時に、ギリシャ国民は「国民に決断を投げてしまう」というとんでもない首相を選んでしまったわけです。
かといって、ここまでギリシャの財政が落ち込んだ背景には、これまでの政権での失敗が膨らんでいます。
決してツィプラス首相だけの責任ではありません。
日本政府も現在、1000兆円に近い債務を背負っています。
ギリシャとはいろいろなところで決定的に違うのが「日本国債権者はそのほとんどが日本人」「中央銀行が独自判断が可能」という部分があります。
この2点はとても大きな要素ですが、日本政府が多額の借金をし運営しているのは変わりません。
27年度予算を見てみると、96兆予算のうち、23兆4000億円は国債の返還になっています。
税収は54兆円ですので、4割近くが「借金返済」というわけです。
もちろん日本国債権者は日本国民が主ですから、「我々の世代だけで償還する必要はない」と言うのは確かですし、人口減少と共に段々と変化があるはずです。
しかし先に上げたオリンピックにおける「新国立競技場施工予算の2000億円近く」などは東京スカイツリーが4本近くたつ値段です。
このような財政出動をしている限り、我々もギリシャ国民と同様の「困窮」を今後味わうのではないかと懸念しています。