2017年1月12日
アメリカ現地時間1月20日に、いよいよドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領の座に就きます。
大統領就任式は慣例的に、アメリカ連邦議会で行われ、1日のうちに「大統領および副大統領就任式」「演説」「ホワイトハウスまでのパレード」「晩さん会」などの日程で行われます。
就任式では、正午12時に「大統領宣誓」が行われるように時間調整され、副大統領就任式は大統領就任式の前に行い祝砲も挙げられますが、厳格に言うと、この12時の大統領祝砲と共に副大統領も権限移譲になります。
さて知られていない事ですが、この就任式で権限移譲した元大統領
これからどのようになるかというのですが、これもある程度慣例で決まっています。
まず元大統領であっても、存命中は「大統領(Mr.President)」と尊称、生涯「大統領」として接遇されます。
ですので、トランプ大統領が誕生したとしても、アメリカ大統領はカーター、ブッシュ父、クリントン、ブッシュ子、オバマと6人存在することになります。
また元大統領は、国家特別公務員として国から年間約20万ドルの年金と医療保険、公務出張費、個人事務所が提供されます。
そして具体的にどういった仕事をするのか?
クリントン元大統領のように、講演に精を出し奥様の選挙資金を捻出している人もいますが、だいたいが「自伝」そして「大統領図書館の建設および管理」になります。
「自伝」は文字通り、自身の大統領就任以来の「裏話」も多く、大概ベストセラーになります。
ブッシュ前大統領の時は「9.11テロからイラク戦争」に向けていろいろなことが目白押しでしたので、読みごたえはありました。
クリントン元大統領は、やはり「モニカ・ルインスキー事件」が本人から語られることもあり、やはりベスト・セラーです。
比較的事件などが多くなかったオバマ大統領の自伝ですが、やはりこのままいくとハイライトになるのは「オサマ・ビンラディン殺害作戦」だと思われ、それに次いで「キューバ国交回復、広島訪問」あたりかと思われます。
また日本人にはあまり知られていませんが、「自伝」以上に大きな事業となるのが「大統領図書館建設および管理」になります。
「大統領図書館」という名前ですが、現実には図書館というより「博物館」になっており、該当大統領の任期中の様々な資料が保管されています。
例えば、大統領執務室、いわゆるオーバルオフィスなどは現在ホワイトハウスの見学がアメリカ議員の紹介のみで訪れることができる中で、レプリカを見れるのはそれぞれの大統領図書館しかないと思われます。
オーバルオフィスは、その机から調度品、カーペットに至るまで大統領個々でデザインを決めており、それぞれの大統領図書館でそれを見るのも良いでしょう。
また場所ですが、大統領にゆかりのある場所が選ばれ、今回のオバマ大統領はシカゴに決定しています。
ハワイ州初の大統領の為、ハワイでの建設の可能性もありましたが、オバマ大統領の青春時代、またミッシェル夫人との出会いなど様々な思い出があるシカゴに決定したそうです。
大体の場合は、大統領が亡くなると「国葬」になり、その大統領図書館の敷地に埋葬されるのが常になります。
さて、もうひとつ元大統領の名誉に預かれるものとして、アメリカ軍の戦艦などに自分の名前が付くことも多いです。
これはアメリカ大統領が国の元首であるとともに、アメリカ軍最高司令官であることも由来しています。
よく「戦艦ロナルド・レーガン」や「ジョージ・ワシントン」などが有名ですね。
ジミーカーターも原子力潜水艦の名前になっています。
スキャンダルの多かった大統領は避けられる傾向もあり、まだ「クリントン」という名前は使われておりません。
おそらく平穏無事に任期を満了するオバマ大統領は、なにかしらの戦艦に「バラク・オバマ」とつくでしょう。
どちらにせよ、大統領は日本の総理大臣とは国の元首として就任するので格が違います。
その格に、今回ドナルド・トランプ氏がどのように振る舞うかも見ものですね。