海外で生活、または宗教観の強い国に訪れた時に聞かれる質問としては「あなたは何教なの?」という質問です。
宗教観の薄い日本人は、ときどき「No religion(無宗教)」と答えてしまう方もいらっしゃいますが、聞く側にとっては「アンチ宗教」だと捉えられる場合があります。
アンチ宗教だと、「神をも恐れない人間」として危険視される場合がありますので、簡単な受け答えであるなら「仏教」でも「神道」でも答えておいた方が良いと思われます。
上の地図は濃い色になるほど宗教に関して「無神論と不価値論の高い地域」になりますが、やはりよく見ると東アジアに多い事が分かります。
日本、中国、ベトナム、韓国あたりですね。
中国、ベトナムあたりは共産主義国として宗教をなるべく排除して行った歴史もあると思います。
韓国あたりは実はキリスト教も意外と割合が多いのですが。
日本人はどちらかと言うと宗教と言うより、昔ながらの習慣や道徳観によって倫理が守られている感が強いと思います。
「人様に迷惑をかけない」などの考え方は宗教観よりむしろ道徳観。
「先祖を重んじて、父母に尊敬の念を抱く」というのはもしかしたら儒教に沿うのかもしれませんが、どちらにしても日本では独特の宗教観が存在します。
たとえば宗教の強い海外のいずれかの国によっては、悪事のかぎりをつくしても「週末に神にお詫びをしたから」として自分自身納得している人もいたりして、「宗教=道徳」ではない場合も多いです。
どちらが良いのか?という優劣を決める事はできませんが、「日本の道徳観」は世界に誇れる文化だと考えています。
その道徳観が「街をきれい」にし、「仕事には忠実」で、「倫理を守り」という結果がついてきます。
世界が驚く「日本のサービス精神」も、会社からの指示と言うより、すでに日本人独特の道徳観から来ている部分も多いと思います。
「あなたの宗教は何ですか?」
と聞かれた時は「仏教」でも「神道」でも、なにかしら答えていた方が良いとは思いますが、日本人は宗教観より道徳観の方が優先されている事は間違いないと感じています。