演説の中に、この言葉を何度も繰り返し、黒人の公民権運動に大きな役割を果たしたキング牧師の演説から50年。
アメリカでは50年式典が開かれたそうです。
この有名な演説から50年、アメリカはムラートでありながら有色人種であるオバマ大統領を選出するまでになりました。
本来は共和党員でもある黒人のパウエル元国務長官も、民主党ライバル・オバマ氏が大統領に選出された際は党派を超えて感慨深いものがあったといいます。
やはりそれだけ根深い差別を黒人自身は感じ取っていたのでしょう。
政治家や運動家には大きなカリスマ性と共に、それを「伝える力」が必要とされます。
逆に「伝える力」がカリスマ性を作るのかもしれません。
現在のオバマ大統領も、選挙時には「Yes we can」や「Change」という短いながら印象的なフレーズを繰り返し、キャッチコピーにしました。
英雄を好むといわれるアメリカでは、このような名演説がしばしば残り、また名演説は演説者本人をカリスマとして残します。
「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」と行ったケネディ大統領
「人民の人民による人民のための政治」と言ったリンカーン大統領
上記二人とも、その名前と共に演説が代名詞のように残っています。
中国においても中華人民共和国成立時には毛沢東などはかなりの数の本を出版し、それに自分の考えを凝縮させ中国人民への伝える糧としました。
あまり良い例ではありませんが、ナチスドイツのヒトラー総統も演説については研究を重ねていたようです。
それだけ演説やスピーチに「伝える力」を込められる人は、そのカリスマ性が後になっても語り草になるのだと思います。
日本でも
板垣退助が発したといわれる「板垣死すとも自由は死せず」や
福沢諭吉の「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」
が代名詞のようにありますね。
伝える力、これを持つ人は、どこの国でも同じように人を引き付ける魅力を得るのだと思います。