政府が生活保護費のうち月々の日常生活費に相当する生活扶助の基準額について、13年度からの3年間で670億円(約6.5%、国費ベース)減額する方針を決めたそうです。
最近、とりだたされている「生活保護費」問題。
政府がとうとうここにメスを入れるようです。
個人的に「生活保護費」というのは最後のセーフティネットであり、これを厳しくしていくのは反対ですが、昨今の生活保護不正受給や、最低賃金との逆転現象というのは確かに看過できない部分があります。
昨年も芸能人の不正受給問題が明るみに出ました。
「収入が不安定だったから」という理由で、相当な額の収入を得れるようになってからも、母親を扶養せずかわらず受給し続けていた問題。
扶養義務はないとは言え、テレビでは母親との蜜月な関係を見せていました。
またもう一人は自分名義の家賃が相当な額の部屋に母親を住まわせておきながら、母親に資産がないというので生活保護を受給し続けた問題。
もうこの二つは明らかに「不正意図」が見え、さらに不正受給の為の知識もフル活用しながら受給していた例であり、完全な悪意の見られるものです。
本来ならもう少し断罪されるべきだと思います。
また貧困ビジネス問題。
生活保護が「住所のないものからの申請は受理しない」というのを逆手にとり、ホームレスを簡易宿泊所に泊まらせ住所を作り生活保護を受給。その大半を搾取する、というビジネスモデル。
これも本当に「公金搾取」に当たると思われます。
こういう人たちは本当に生活保護の制度を熟知してその抜け道を抜けていきます。
やはりこういう輩がクローズアップされると、一般市民にとってかなり悪印象があり、「生活保護引き下げ」要請があるのも分かる気がします。
逆に働けど働けど生活保護受給額まで届かず何年も過ごしている方、これは明らかに生活保護を受けられる案件にも関わらずその知識が無いために申請に至らず、結果「生活保護費」と「労働収入」の逆転現象を生み出す。
これも本当に不幸です。
この二つの例から見えるように、現在の生活保護問題はかなり根の深いところであり、現実に日本の政府支出のかなり大きなパーセンテージを占めてきました。
「もらうべき人がもらえ、もらう必要のない人はもらえないシステム」を確立するのにはかなりの知恵が必要かと思います。
しかし何かしら手を打たなければならない時期に来ていたのは確かです。