久々の投稿になります。
バタバタしていたので億劫になり、なかなかブログに手が回りませんでした。
さて、現在日本では「衆議院選挙」の真っ最中です。
今回からは18歳以上の国民も選挙権が与えられます。
個人的には、高齢化社会のなかで高齢有権者の増大の中、若い世代の声も発揮されてよい事と思います。
さて日本の衆議院選挙は「小選挙区比例代表並立制」というものをとります。
これを分かりやすくまとめましょう。
まず「小選挙区」での選挙です。
現在、日本では「小選挙区289区」があります。
この選挙区から「最多得票者1人だけ」が選ばれるものです。
結果289人が選ばれるわけですね。
これは分かりやすいですね。
ではもう一つの「比例代表制」
これがなかなか分かりづらいと思われますが、個人的にはこちらの方が重要視しています。
日本全国を11のブロックに分け、あらかじめ各政党から提出された「比例代表名簿」に従って、得票の多い「政党」から順に名簿上位者が当選する、という制度です。
さらにその選別は「ドント式」という計算式によって行われます。
なぜ私が「小選挙区」より「比例代表」を重視しているかというと、これこそ「民主主義」の結果が反映されると思っているからです。
以前、ある選挙の後ツイッターでこういう呟きがありました。
「大政党の候補者が10万票得票で比例代表当選、小政党の候補者が17万票で落選、これが民主主義なのか? 比例代表は『大政党優位』にできている!!」
という17万票を得た小政党候補者のサポーターの怒りの呟きでした。
これは、個人的に言うと「全く選挙と、制度が分かっていない」という残念な呟きでした。
日本には多くの政党がありますが、すべての選挙区に候補を擁立できる政党はほとんどありません。
なぜなら候補者擁立の手間もお金もかかるから。
皆さんの選挙区では、すべての政党が候補者を立てていますでしょうか?
そうではありませんね。
もうお判りでしょうが、この「小選挙区制」こそが、「大政党有利」な制度です。
地元の立候補者以外の選択肢がありません。
小選挙区で落選した議員への投票は、「極端にいうと、すべて死票」です。
その時の投票がまったく国政に反映しません(厳密に言うと『惜敗率』での比例当選復活というのもありますが、ここは小選挙区制の話なので)
そこを補うのが「政党に投票する比例代表制」です。
地元の選挙区に候補者を出していない政党(出すことができない小政党)に対しても投票でき、票が積みあがった順に当選しますので、「死票」が出ないです。
あなたの投票が、「票が積みあがる原石」になります。
小政党では、小選挙区制だけでは正直な話「淘汰」されてしまう可能性が高く、ゆくゆくは「政党消滅」になりかねません。
しかしこの「比例代表制」によって、少数意見も取り上げられる「民意を反映した結果」が出ます。
少数意見による小政党の存在も「民意」であるわけです。
さて話が長くなりましたが、比例代表制をさらに分かりづらくしている「名簿」と「ドント式」の謎。
まず「衆議院議院選挙」だけの話をしますと、厳密にいうと「拘束名簿式比例代表選挙」になります。
予め、各政党から「比例代表名簿」というものが提出され、政党への投票結果により順に投票になります。
この「名簿の順位」ですが、各政党によって決められます。
- 絶対落としたくない候補者
- 政党に貢献している候補者(選挙中、自分の選挙を差し置いて応援周りをしている候補者など)
が上位に載ることが多いようです。
また「比例代表の一位が複数人」という場合、意味が分かりませんが、これこそ上記に上げた「惜敗率(小選挙区当選者に対して落選したものの、当選者の得た票数に対して、自身が何パーセントを取ったか)」が反映されて、高い人が当選します。
そして比例代表制で議席を公平配分するための「ドント式」
これがなかなか良く考えられた数学式です。
分かりやすく言うと下記のとおりです。
- 各党の得票数を,1,2,3,…nで割り,割った数の多い順で当選者を決めていく。
- 例えば「定数6」、「A党200票」「B党100票」「C党55票」という選挙結果になったとします。
その場合、まず「A党180票」「B党100票」「C党55票」を「1」で割ります。
すると「①A党180」「②B党100」「③C党55」になります。次に「A党180票」「B党100票」「C党55票」を「2」で割ります。
すると「④A党90」「⑤B党50」「⑥C党27.5」になります。次に「A党180票」「B党100票」「C党55票」を「3」で割ります。
すると「⑦A党60」「⑧B党33.3…」「⑨C党18.3…」になります。ここで①~⑨の「各整数で割った数」を確認ください。
上位6つは順に①180(A党)、②100(B党)、③90(A党)、⑦60(A党)、③55(C党)、⑤50(B党)
となります。
結果、この選挙ではA党3名、B党2名、C党1名が当選するわけです。
この計算式は、「得票数の多い政党にも少ない政党にも、比較的公平に議席が割り当てられる」として、活用されています。
こういった背景を考えながら、しっかり検討し「投票権を有効に」使ってほしいですね。