WBCの放送を見ていますと、「今回のボールは滑りやすい」という解説が多いです。
日本のプロ野球で使われているボールと、WBC(アメリカメジャーリーグ)で使われているボールの革の違いから来ているようです。
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実際、私もアメリカに行った際、アメリカで普通に使われているボールを触ったことがあるんですが、素人目でも分かるような材質の違いがありました。
たしかに日本の革に比べて滑りやすいと思ったことがあります。
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しかし、その論調の中に稀に「日本のボールはしっかり作られていて、アメリカのボールは雑なつくり」というのもありました。
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どうしても日本人は抜けませんね。「日本性が一番。外国製は品質で劣る」という考えです。
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確かにその傾向はあると思います。日本人は昔から細かい職人気質で品質の向上に努めてきました。
オリンピックの砲丸投げで外国選手に愛用される砲丸の一つが、日本のある町工場で丁寧に作られているもの、というのも一例です。
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しかし、この考えは段々と我々日本人の見識を狭めるだけの方向に向かって行っているんではないでしょうか?
あまりに「日本の製品が一番」と思いすぎるのも、知らない間に足元を救われるような気がしてなりません。
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家電用品でいくと、たしかに発展途上国では、日本製は一種のブランド力があるよう他国の商品より一文高い値段設定なのも多いです。
しかし、旅行で訪れたインド、バングラデシュ、タイなどでは日本製以外の商品の競争力は意外と強いです。
「値段の割には、品質はあまり変わらない」という意見も多く見られます。
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日本国内ではあたりまえのように日本製の車、日本製の家電のシェアが大部分です。
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あまりにも外国製を見ない内に、見識が狭くなっていないでしょうか?
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他国の品質も年々向上しています。
いつまでも日本製品の神話が続いていく流れではありません。
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一度ふと立ち止まって、周りを見回してみましょう。
もうすでに「胃の中のかわず」になっているのかも知れません。